Maya バージョン7.0の新機能 フルボディーIKの設定を説明する。
■ フルボディーIK(FBIK)とは
フルボディーIK(FBIK)とは、キャラクターの体の1ヶ所動かすと、その1ヶ所の動きに従って
体全体 が動く機能のことをいう。
上図はキャラクターの左手を左下方に動かしたとき、自動的に体全体が傾き、膝が曲がった例である。
足先は地面に接したまま動かないように設定してある。
■モデリングデータの準備
上図のように、手は水平、手のひらが下向き、足は閉じたT字型のポーズでモデリングデータを準備する。
■ ジョイントの設定
あらかじめ、モデリングデータが読み込まれた状態で、
Animationメニューセット Skeleton > Full Body IK > Get FBIK Example...
でVisorウィンドウ(上図)が開くので、bipedExample.ma(人間型)の 上で
マウス右ボタン Import Maya File bipedExample.ma で
サンプルのジョイントを読み込む。
上図が読み込まれたサンプルで、FBIKの設定がすでにされている。
上図のような球状のアイコンがFBIKエフェクターといわれるもので、
このエフェクターを移動回転させることで
キャラクターのポーズを設定することができる。
読み込んだサンプルにはジョイント、エフェクター、キャラクターセットの3種類の
ノードのグループが入っている。
この中でエフェクターをすべて削除する。(同時にキャラクターセットも削除される)
ジョイントの右半分を削除し、
ジョイントを適切な位置に配置し、
Skeleton > Mirror Joint でジョイントをミラーコピーする。
また、必要であれば、眼球などのモデリングデータをジョイントの"子"にするなどの配置をおこなう。
■FBIKの設定
FBIKを設定するにはジョイントの名前またはラベル名がFBIKの規約に一致している必要がある。
ここでは、 ラベル名をFBIKの規約にして設定する方法を説明する。
ジョイントのアトリビュートにJoint Labelling SideとJoint Labelling Typeがある。
サンプルで読み込んだジョイントは規約に一致しているので、
ミラーコピー したジョイントのラベルを変更する必要がある。
ミラーコピー したジョイントは Joint Labelling Typeはそのままでよいので、
Joint Labelling SideをLeftからRightに変更する。そのために、
上図のようにミラーコピーしたジョイントを選び、
Skeleton > Joint Labelling > Add FBIK Labels > Label Right
これで選択したジョイントすべてのJoint Labelling TypeがRightになる。
ルートジョイントを選択し、
Skeleton > Full Body IK > Add Full Body IK ■
Identify Joints がBy Label(初期設定) になっていることを確認し、Apply
これでFBIKが設定された。
Skeleton > Retargeting > Set Neutral Pose で現在のポーズを設定しておけば、
Skeleton > Retargeting >Go To Neutral Pose でこのポーズに戻ることができる。
■ウェイト調整
ジョイントの位置調整とウェイト調整をおこなう。
通常のジョイント設定と同じ方法で行なえばよい。
ミラーコピーされたジョイントのジョイント名も必要であれば変更しておく。
Maya:キャラクターセットアップ その②:スキンウェイト調整 参照
(FBIK設定前に、 ウェイト調整をおこなってもよい)
■キーフレーム設定
FBIKのキーフレームは
Animate > Set Full Body IK Keys (またはCtrl + f)で設定する。
よろしければ FBIK による歩行アニメーションのサイクルの作り方をご教授してほしいのですが。
いつも、途中で足がぐちゃぐちゃになってしまいます。
現時点では実際の仕事には従来のIKハンドルを使ってます。
細かい設定を考えると、FBIKよりIKハンドルのほうが
やはり、使いやすいですね。
ですので、FBIKの具体的な説明は今のところできません。
すみません。
ということはスケルトンを自分で組み立て、IKハンドルを使用して歩行サイクルを作るのいいのでしょうか。
そうですね。そちらがいいと思います。